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キッチンの設計

 今回から各部屋の特徴や機能についてお話ししたいと思います。まずは間取り計画でもお伝えした「幹」の部分、台所・食堂・居間「LDK」の台所(キッチン)についてご説明します。

 キッチンは主に主婦(主夫?)が使う空間ですが、最近はコロナ禍の影響もあって、朝・昼・晩3食作るケースもあるようで、ここを担う奥様(ご主人?)にとっては今はある意味辛い時期かも知れませんね。そんな大事なキッチンだからこそ、配置する場所は重要ですね。出来れば家の中でもいい場所、環境のいいところに配置したいものです。

 ところで皆さん、太陽の光には3つの性質があることをご存知ですか? 朝の東の光が「紫外線」、昼の物が明るく見える「可視光線」、午後の暖かい光・もしくは強烈な暑さをもたらす「赤外線」に分かれます。もう少し詳しく解説すると「紫外線」は皆さんご存知のようにお肌にはあまり芳しくない性質がありますが、細菌などの殺菌作用があり、骨をつくるビタミンDを含んでいます。「赤外線」は物を温める反面、湿気を呼び込み物を腐らせる性質を持っています。キッチンは主に食材を扱うところなので、赤外線の入る西面は避けたいところです。キッチンのベストな配置は東、または東・南面が良いでしょう。どうしても西面にキッチンを配置する場合には、西面の壁から遠ざけて対面キッチンにするなど工夫が必要です。特に夏の西日は先ほどもお話ししたように物を腐らせる性質があるので、要注意です。反対に東の光は細菌を殺菌することと、最近の研究で「紫外線」がうつ病にいいという研究結果も出ているように、朝の光は人間や植物に活力を与えてくれるようです。キッチンの配置計画では東もしくは東南面をお勧めします。

 次回は、キッチンの機能面・動線面などについてお話ししたいと思います。

代表 草野